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信号が赤になった。 私はクラッチを踏み、ゆっくりブレーキをかける。 「先生、八ツ橋好きですか?」 「おぅ、大好物だよ!あれは、いつ食ってもうまいね!なんだ、くれるのか?」 突然の私からの質問は盛り上がりそうな感じだ。 「こんど京都行くんですょ、じゃぁ先生に買って来ますね」 「わりぃじゃん!楽しみにしてるな」 ニッコリ笑う先生。 その姿をみて私も笑顔になる。 信号が変わった。 アクセルを踏みこみ、クラッチを上げる。 「京都っていぃですよね」 ハンドルを握りながら先生に話しかける。 「俺も京都好きだなぁ。 いいなぁ京都…」 先生、旅行なんて行ってる時間ないよね。。 なんだか複雑な気持ちだ。 「どこに行く予定なんですか?」 先生はたまに私の方をちらっと見ながら話す。 「私、神護寺に行きたいんです!あと、銀閣とか^^」 「懐かしいなぁー俺もいきたいゎ。何で行くの?電車?」 「いえ、夜行バスです。安いので^^」 「夜行バスかぁー、なんかいいみたいだょ。ゆったりしててさ^^」 「そぉなんですかぁ」 先生と話すの楽しい…… なんでこんなに楽しいんだろ。。 「そぅだ、先生、やっと話が合いましたね〃」笑 「そぉだなぁー」笑 桜の見方は先生とは違うけど、今見てる景色は同じ。 そう、しみじみと思った。 夕焼けの暖かいオレンジが車内を包む。 もうすぐこの時間も終わり。 .
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