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拙者もお見舞いに何度も足を運んだ。時間の許す限りUと話した。
余命宣告から半年…。Uは相変わらず元気だった。医師もこのまま行けばまた仕事復帰出来るかもしれないと言ってくれていた。Uの頭元にはたくさんの千羽鶴が飾られていた。
しかし魔の手は容赦なくUを苦しめる…。ついに恐れていた事が起こった……。血液ないに癌が入ったのだ……。Uは身体中を突き刺さす痛みにひたすら耐えていた……。
医師からは再び余命宣告………。余命2ヶ月……。
拙者はまたUは前の様に元気になると信じていた。天気のいい日拙者はUを車イスに乗せて病院の屋上に向かった。その時にUがボソッと『生きてるだけでいいんよ。人間は……。生きてるだけで幸せなんよ。もっと生きたい……』Uの言葉に胸の奥が締め付けられた……。熱く込み上げるのを飲み込み『何をいよんよ。また元気になって仕事するんだろ。また飲みに行こう★元気になって』拙者は笑顔で答えた……。
これが拙者とUが交わした最後の言葉になった………。
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