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「ねぇ…雪矢…」
「何?」
「雪矢って不思議な人だよね。」
「どうしたの?いきなり…」
「私たちの“必然”な出逢い…覚えてる?」
「うん…覚えてるよ。」
あの日、私は死のうと思った。あなたに会わなければ死んでいた。
「雪矢がいなきゃ私は…存在してなかった。」
「…」
「ねぇ…私…雪矢が…」
「柚亜…」
「…なに?」
振り向いて雪矢の顔を見るとすごく寂しそうな顔をしていた。
「もし、僕と二度と会えなくなっても、僕は柚亜に生きてほしいよ。」
「え?」
「約束して…絶対自分で命の焔を消さないって」
「雪…矢…?」
「お願いだから…」
そういって雪矢は私を優しく抱きしめた。雪矢の声は震えていた。
「…約束する…」
その日私たちは初めて口付けをした。
そして、その日以来雪矢は私の前に現れなかった。
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