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あれから何年が経ったんだろう。
毎年雪は必ず一回は降った。けど…
雪矢に会うことはできなかった。
今年も雪が降った。
今年も雪矢に初めて会った場所に来た。
雪矢…私…約束守ってるよ。
「寂しいよ。雪矢…」
泣かないって決めたのに涙が溢れる。
「雪矢…?」
ふと後ろから雪矢の名前が聞こえた。
「…あの、あなた柚亜…さん?」
後ろに立っていたのは見知らぬ女性だった。
「はい。柚亜ですけど…あなたは?」
私は涙を拭って女性に向き直った。
「私…雪矢の姉です。」
雪矢のお姉さん…
「…」
私はあまりに唐突な事だったので固まってしまった。
「よかったわ。」
なにがよかった?
「雪矢に頼まれてたの…あなたに手紙を渡してくれって。」
「雪矢…雪矢は今どこに?」
何も言わず雪矢の姉は私に手紙を渡してきた。
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