不良少年

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10分ほど歩いてゲーセンに着いた。   二人はゲーセンに入り、定番のストレス発散マシーン(パンチングマシーン)をやることにした。   『負けた方はジュースおごりな。』   健司が挑発的に言った。   『ジュース貰ったな。』   これまた隼人が挑発的に言う。   『俺からやるぜ。』   健司は言いながらパンチングマシーンの前に立つ。   バチーーーン!!   衝撃を吸収したパンチングマシーンは、揺れながら元の位置に戻る。   ゲーム機独特のノイズがかった音楽と共に113キログラムの数値をスクリーンに叩き出した。   『うぉ!?最高記録!』   健司は勝ち誇った顔で言った。   『次は俺か。』   隼人はパンチングマシーンの前に立つ。   深呼吸して集中力を高めた。   バチーーーン!!!   健司に負けず劣らずの衝撃をパンチングマシーンに叩き込んだ隼人。   スクリーンには115キログラムの数値が刻まれていた。   『俺の勝ちだな。』   隼人はお返しとばかりに勝ち誇った顔で言った。   『たったの2キロじゃねぇか!』  健司は悔しいのか、怒鳴るように言った。   『勝ちは勝ちだ。』   隼人は冷静に言い放つ。   『ちぇっしゃーねぇな。』   健司は諦めたのか150円を財布から出す。   『いいじゃねーか。たったの150円じゃん。』   隼人は手を出しながら言った。   『150円はいい!負けるのがムカつくんだ!!』   健司は負けず嫌いだ。   隼人はどちらかというと冷静な方だ。   頭に血がのぼると手を出すが…   比較的この二人は相性がいいのかもしれない。
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