不良少年

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シュッ……   拳が空間を裂く音だ。   健司は上体を左にそらし間一髪のところで拳をかわしていた。   健司はすかさず相手の右脇腹に左の拳をねじ込んだ。   健司の拳は見事にクリンヒットした。   その証拠に相手はうめきながら膝を地面についている。   とても苦しそうだ。   それほどに、健司の拳は強力なのだろう。   それもそのはず。   健司は喧嘩慣れしている。   力もある。   隼人も同然だが。   『終わった?』   隼人はあくびしながら健司に聞いた。   『あぁ。やりがいがねぇな。』   健司は野獣のような笑みをみせて言った。   すると、いつの間にか数人に囲まれていた。   健司がやった相手の仲間といったところだろう。   『いっぱい出てきたな。』     隼人は健司の方に歩きながら言った。   『また二人でやるか。ぶっ飛ばした人数少ない方が夕飯おごりな。』   健司がまた賭けを持ちかけてきた。   『しゃーねぇな。』   隼人は楽しそうに賭けを承諾した。   そして、7対2の乱闘が始まった。
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