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数日後…
父親の葬式がひらかれた。
父親は横断歩道を渡っていたところをトラックにはねられたらしい。
病院に運ばれたがついた頃には手遅れだったそうだ。
打ち所がよくなかったのだろう。
葬式には会社の人達や親戚の人達などが出席していた。
隼人は葬式の前日まで、
『あいつの葬式なんか行く必要ねぇ。』
と、ばちあたりなことを言っていたが親族の人に無理矢理引っ張りだされて来た。
葬式が始まり静寂が空間を支配する。
順調に葬式が進み、悲しみからか親族の人達や会社で父親と親しかった人達は涙を流していた。
普通の息子ならば当然ここで涙を流すだろう。
しかし、隼人は涙など一滴たりとも流していない。
涙どころか悲しみすら感じていないのだ。
あげくの果てには、うっすらと喜びの表情が見えてきそうだ。
しかし、隼人にも父親の死で残念なことがあった。
それは、もうお金を貰えないことだ。
お金がなければ遊ぶどころか暮らしていけない。
これは隼人にとってかなりの痛手だ。
隼人の頭の中は父親の葬式のことよりもこっちのことでいっぱいだった。
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