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時間(トキ)は静かに進み、街の街灯がちらほらとつき始める。
昼間とは違い、とても静かな街に変わった。
僕はそれをジッと眺めていた。
そこへ一匹のコウモリが近くの街灯のそばで放物線を描きながら飛んでいるのが目についた。
おかしな放物線…。
まるで僕の気持ちを線にし表しているかのようにも見えた。
僕の気持ちを無視して空は少しずつ衰弱していく。
そっと…。
『今日も君は来なかった…。』
毎日こうして一日が終わっていく。
君が来てくれるのかなんて僕には分からない事。
だけど、僕は待ってると約束した。
例えずっと来ることなくても僕は待ってると誓ったから、だからこうして待っている。
君を待つ時間は、無駄ではないから。
来る日も来る日も僕は君をこのベランダで待っている。
もしも、いつか朽ち果てたら…君を待つこの場所このベランダには、小さくて白い花が咲くだろう。
何色にでもなれる白い花。
ベランダに白い花が咲いたときは、僕が君を待った証だと思って下さい。
僕はあの時、君に言った言葉通りずっと待ってるよ。
大好きな君が見つけてくれたら、君が好きな色に染まるから…。
「待ってる。」
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