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佐倉>>
「朝食ですよ」
鳴海>>
「メニューは?」
佐倉>>
「目玉焼きです」
鳴海>>
「あぁ~」
佐倉>>
「材料があんまりなかったので」
それはそうだ
なんたって一人分しか買って来てない
誰も一人から二人になるなんて予測もしていなかったから
鳴海>>
「っで、もう出来るのか?」
佐倉>>
「もう出来ましたよ」
鳴海>>
「そっか」
俺は大きな欠伸を一つして
顔を洗いに行く
相変わらず水は冷たい
その所為で、目はしっかりと覚める
居間に戻るとそこには朝食が並べてある
食パンに目玉焼き
何とも家庭的
鳴海>>
「美味そうだな」
佐倉>>
「料理には自信があります」
鳴海>>
「へぇ~、それじゃ頂くかな」
確かに見栄えは完璧だ
普通の目玉焼きにしか見えない
俺は一口運ぶ
鳴海>>
「……」
佐倉>>
「どうですか?」
鳴海>>
「甘い…」
佐倉>>
「仁菜特製甘々目玉焼きですよ♪」
鳴海>>
「うん、普通の目玉焼きにして欲しかった」
佐倉>>
「美味しくないですか?」
佐倉が俺を覗き込むようにそういう
昨日の夜は気付かなかったが
この娘意外に可愛い
顔立ちがしっかりとしている
鳴海>>
「美味しくない訳じゃないけど…」
佐倉>>
「??」
鳴海>>
「この甘さをどうにかして欲しい」
俺はそう言いながら
口に運んでいく
別に食べれない程の甘さではない
佐倉>>
「こんなに美味しいのに…」
佐倉はそう言って次々と口に運んでいく
満面の笑顔で
俺はどうにか完食をする
食後のブラックコーヒーが
こんなに美味しいと思ったのは初めてかもしれない
丁度良い苦さが脳を刺激する
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