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鳴海>>
「どうしてだ?」
佐倉>>
「だって二人で肩を並べているじゃないですか」
その時気付いた
俺と雪塚は物凄く近くに座っていた
振り向けば顔と顔がぶつかる距離
雪塚>>
「よいしょっ」
鳴海>>
「どっこいせ」
俺と雪塚が同時に距離を取る
佐倉>>
「ふふふ♪」
それを見た佐倉が笑う
しかし、その空気を打ち消すように
雪塚が口を開く
雪塚>>
「ねぇ?仁菜っちは何でココに来たの?」
佐倉>>
「それは…」
雪塚>>
「圭介が何回も聞いてるみたいだし」
鳴海>>
「ゆん 無理だって」
雪塚>>
「ねぇ?教えてくれないかな?」
佐倉は俯く
さっきまでのご機嫌が嘘のようだ
しばらくすると、佐倉が口を開いた
佐倉>>
「わかりました…」
鳴海>>
「えっ?」
雪塚>>
「やったね☆」
俺の時とは違い
事情を話すようだ
察するに、隠し通すのが嫌になったのだろう
佐倉>>
「私の両親は離婚したんです」
鳴海>>
「ん?」
雪塚>>
「え?」
突然の話
驚きと疑問が浮く
雪塚>>
「離婚?それっていつ頃?」
佐倉>>
「数日前です」
鳴海>>
「それはまた急だな」
佐倉>>
「それで、私は嫌になって家を出てきました」
雪塚>>
「言う所の家出だね」
佐倉>>
「はい」
俺と雪塚はその後も、詳しい事情を聞く
聞けば聞くほど悲惨だ
雪塚>>
「大変だったね…」
佐倉>>
「…はい」
鳴海>>
「……」
嘘を言っているような感じでもない
俺は素直に佐倉の言う事を信じる
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