prologue

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最近良く夢をみる…。一年くらい前から見る回数が増えて、内容をより鮮明に覚えられるようになった。 それは、いつも同じ夢で、同じところで目が覚める……。 僕は、夢の中でどこまでも続く道の上に立っている…。 別れ道は先のほうにいくつかあるだけ。 誰かに呼ばれた気がして後ろを振り返ると、やっぱり同じような道が続いている。違うのは、途中から道が闇の中に消えていくことくらいだ。 そして、その闇の中から声が聞こえる…。 ーー「時が満ちる…。待ちわびた…。とうとう一つに…。」ーー 「……誰かいるの?時って…?」 闇の中の誰かは答えない。そして、変化が始まった…。まだ結構後ろのほうに広がっていた闇が近付いてくる…。 「うわっ!?なんだこれっ!?」 とうとう闇に追いつかれる。何故か足は地面から離れない。手で払おうとするが闇にはもちろん無意味だった。 …自分の身体が全て闇に包まれる…。けど、案外嫌な感じはしない…。 何故だろう…。 むしろ……嬉しいような…? 昔から、僕はニブいのかもしれないと思っていたけど(毎日、必ず一度はある口うるさい友達に言われる。)ここまでひどいとなんだか笑えてくる。ってそれどころじゃないか。 「止めろッ!?何だよコレ?!」 どうにもならないと分かっていても、手を振り回す。 …何だ…?闇が僕の中に入ってきてるような…? ……そしてまた、あの声がした……。 ーー「……俺は……お前だ……。」ーー
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