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「げほっ!!痛いってば、薫っ!!そろそろ、その挨拶の仕方直せって!!」
涙目になりつつも叩いた相手をにらんだ。
「えーっ!いいじゃない別に。優真のひ弱さが悪いのよ!」
…全く気にしてないし…。それどころか、僕のせいにしてるよ…。
僕を叩いたこの女の子の名前は天野薫という。僕とは、中学の時からずっと同じクラスというかなりの腐れ縁だ。
性格はとてもサバサバしていて、面倒見が良い。加えて顔もスタイルも有り得ないほど整っている。髪は腰の辺りまで伸び、銀髪が朝日に輝いている。
俗に言う、シルバーブロンドというやつだ。薫はおそらく、ハーフなんだと思う。何故か両親について話さないので実際は分からないが…。
目の色はとても綺麗な黒をしている。
黒色にも綺麗な色とそうでないのがあることを初めて知った。
はっきり言って、凄くモテる。ファンクラブがあるほどだ。それなのに、彼氏がいると言う話は一度も聞いた事が無い。噂によると、告白した男子はみんな撃沈されているらしい。けど、僕にとっちゃ、すぐ殴るわ、すぐ要らない世話を焼くわで、あまり異性として意識する事は無い。
「そんな事より…。私は今、挨拶をしたのよ!
優真、何か言う事あるんじゃない?」
エッヘンポーズで偉そうに言われた。
「そんな事」で済ますなよ!
まぁ、僕らはいつもこんな感じだ。圧倒的に薫が強いので、僕は尻に敷かれっぱなしだ…。
何だか泣けてきた…。
「あー…。ハイハイ。おはようございます。薫さん。今日も、とても可愛いですね!」
…かなり投げやりな発言だったと思う。また殴られるかなー。とか思ったけど、薫はいつもと違った反応をした。
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