日常

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  「おはよ。」 「花保VvおはよんVv」 そう言いながら 2人は私に抱き付いてくる。 いつもと変わらない光景だ。 「てかあんたら… まーた くだんない話してんの? 高校二年にもなって~…」 私が口をとんがらせて言うと、 「いいじゃん♪ カタイこと言うなよVv」 と言いながら 百合は煙草を取り出し、 堂々と教室で吸い始めた。 皆が百合を見る。 百合は 「皆ゴメン! 一本だけ吸わせてっ」 と言った。 私は煙草の匂いが好きだった。 ……吸う気には なれなかったけど。 だから百合の吸う煙草を 横で見ているのが好きだった。 キーンコーンカーンコーン ガラッ 本鈴と一緒に先生が入ってくる。 「百合! 煙草吸うな!」 担任の 山棚[やまだな]先生が そう言いながら 百合から煙草を取り上げる。 山棚先生(28)は女の先生で、 とてもすらっとしていて 百合達よりも背が高い。 性格は男勝りで 正義感が強い。 「一本だけ!お願い!」 百合がすがりつくが、 「だめ!体に悪いぞ。 それに未成年だろお前。 我慢な。」 と言って 煙草を捨ててしまった。  
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