「正体」

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■■■■■■■■■■■■■■■ 「また……」 皐秀から恭しく渡された文を開き、彗は目を眇めた。 中には一言 『嫁になれ』 と書かれている。 角楼で和解(?)して以来、王は毎日のように文をよこした。 『今夜の月は綺麗だ』だの『虹を見た』だの『昨夜夢で彗に会った』だの…… 普通の女なら感動するだろうまめまめしさだが、彗は (ふざけてんの……?) としか思わなかった。 「どうかした?」 「ううん、何でもないよ」 彗は文を丸め、躊躇なく屑籠に放り込む。 王に同情しつつ、舜期はそっと息をついた。
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