270人が本棚に入れています
本棚に追加
「はうっ――伏峰(ふしみね)先輩に見られたあっ」
このパンツ丸見え少女は梅津律子(うめづりつこ)、このクラブ唯一の一年生である。
セミショートの髪に丸く子犬のような円らな瞳、小さく可愛らしい唇、と小柄で守ってあげたくなるオーラを醸し出しているが、二つの膨らみはそれなりに立派で、加えてお尻は見事な安産型である。
それと、「ドジっ子スキルを標準装備している」と部長が太鼓判を押した猛者で本当に何もないところでよく転ぶ。その度にスカートを全開にするものだから、男子生徒からの人気も高い。
まあ、どっち方面で人気があるのかは俺の口からは言えないけど。
「いつも見られてるわけだし、気にしない、気にしない」
「そ、そんな事ないですよっ! 毎日、パンツは変えていたって恥ずかしいものは恥ずかしいですっ」
「なら、勝負パンツを穿いて智樹を誘ってみるってどうだい?」
「そ、そんな事は――」
全力で副部長に挑んでいく律子ちゃん。このやり取りも毎日見ているので別に止める気はないけど、その辺でやめてくれないと俺も会話に参加し難いのですけど。
「りっちゃんの花柄パンツっ」
「お前は黙ってろっ」
「ふげしっ」
復活一秒にして、瞬殺。
哀れなり……部長。なんて微塵も思わない俺も結構酷いヤツかも。
「それじゃ、みんな揃ったので始めましょうか」
「そうね。こんなヤツはほっといて」
問答無用に部長のお腹に蹴りを入れて椅子に座る副部長。まあ、いつもの光景だから気にもしないけど、よく生きていられるよな、あの人も。
「こほんっ――それでは」
咳払いを一つして俺と律子ちゃんを交互に見た副部長は――
「電脳革命クラブ、本日の活動を開始します」
高らかに宣言していた。
しかし、一年間在籍しているけど、このクラブって一体何をするんだろうな……謎だ。
最初のコメントを投稿しよう!