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暫く横になって待っていた。
待ってる間、病室の窓から空を見ていた。
雲が流れる。
太陽が時折雲に遮られ、温かい日光が消える。
夏姫「山崎…クン…」
か細い声が聞こえた。
まるで今にも泣きそうな感じの声
山崎「お…来たか。おはよう夏…」
俺は顔の向きを変えようと、首を捻った。
捻ると、そこには涙を目に溜めた夏姫が立っていた。
山崎「どうした…どこかに足でもぶつけたか?」
夏姫「これで…何度目…?」
山崎「何が…?」
夏姫「山崎クンを心配して涙流した回数…」
山崎「夏姫…すまんな…」
夏姫「ねぇ、何度目かな…?山崎クンの事で、嬉し涙を流したのは…」
山崎「なんで嬉し涙なんだ…」
夏姫「山崎クンがちゃんと生きてるからに決まってんじゃん…!」
夏姫の頬を伝う涙を、俺は指で受け止めた。
山崎「すまんな…一々泣かせちまってよ…」
夏姫の涙を枯らせてしまうんじゃあないのか
俺はどんだけ不幸を見せて来たんだ。
山崎「もう…お前を泣かせたりしねーからな。」
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