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「名前で呼ぶというのはそんなに重要か?」
「そう来たか…。なら、悠は名前で呼ばれなくてもいいと?」
「…私を名前で呼ぶのはこの子達と帝だけだ」
この子達…式神の陰夜と陽那。
そして帝。
自分を“悠”と呼ぶのは3人だけ。
女中も兵も、ほかの者も、皆口だけでは“悠”と呼ぶが、心の中では“人形”と呼んでいる。
心から名前で呼んでくれるのは3人だけ………
(…3人? 本当に3人だった? まだ誰かいたような………)
―――――悠。
―――――悠ちゃん。
(? 今誰かに呼ばれた?)
悠は、男の人と女の人に名前を呼ばれたような気がして、辺りをサッと見回した。
だが、周辺には自分達以外誰もいなかった。
(……気のせいか?)
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