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「あはは、みちるの負けー!」
友達が歓喜の声をあげる。
やっぱり負けた…。
じゃんけん弱いんだよ、私…。
負けたチョキの手のまま私はその場にしゃがんだ。
「嫌…行きたくないー…。」
あぁ…。
やりたくないのに無理して勝負しなければよかった。
確かに私もあの部活には興味があったし、どんな所か知りたかった。
…だけど…
いざ行くとなると気が重い。
「さぁっ!みちる、行くのよ!じゃんけんで負けたのアンタなんだからっ♪」
興奮気味に話す私の友達は「みちるコール」をしながら私にウインクをして「頑張ってね」というサインを出した。
…好奇心に負けた私が馬鹿だった。
「はぁ…。行ってきまーす。」
重い腰と、行きたくないと動かない足を引きずりながら…私は「あの部活」の方へと向かった。
「行ってらっしゃーい♪」
「…。」
ヤダヤダヤダ。
行きたくないよ…。
謎の変人男に自分から会いに行くなんて…。
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