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俺は黄色の物に近付きながら携帯を耳にあてた。
二回目のコ―ルで香野は電話にでた。
「何か見付かりましたか?」
「香野さん、すぐに来てください。最悪の事態かもしれません」
俺はそう言うと電話をきった。そして携帯をしまうと黄色い物にますます近付いていった。
近付くにつれて、それが倒れている人だとわかった。俺はそれがわかると倒れている人に向かって走った。そしてすぐ側までくると今度は性別がわかった。髪が長いことから女のようだ。
そして倒れている人の脇まできた。
腹から血が大量にでている。どうやらすでに手遅れのようだ。
「くそっ!!」
思わず怒りが口にでてしまう。
落ち着けと自分に言い聞かせて気持ちをいれかえる。そして今やるべきことは携帯に電話することと、長谷川に繋がる物を見付けること。
まず俺は警察に電話をして、ことのいきさつを話した。
そして電話を切ると同時に香野が姿をあらわした。
香野の眉間に深いシワがよる。どうやら香野も怒りを感じているようだ。
「何か見付かりましたか?」
「それは今から探すところです」
「私も手伝いましょう」
「ならこれをしてください」
俺はそう言うとポケットにしまってあった手袋を香野に渡した。
香野は手袋をはめると被害者の持ち物を調べ始めた。
「高田さん、メモがありました」
「本当ですか!!メモには何と書かれてるんです?」
「メモには
“松下は言った。
仲間はずれを見付けられるかな?偽物を見付けられるかな?”
と書いてあります」
「仲間はずれに偽物?いったい何のことなんでしょう?」
「それはまだわかりません。もう少し被害者の周りをふくめ遺留品を探しましょう」
「そうですね」
そう言うと俺と香野は辺りをくまなく探し始めた。
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