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香野はさらに言葉を続けた。
「何かおかしいですね」
「何がおかしいんです?」
高田がそう香野にといかけた。
「タイミングがよすぎるんですよ。長谷川はもしかしたら関大橋の周辺で私達を監視していたのかもしれません。そして私達が謎を解いたのに気付き、先回りして少年を殺害した。そうでなければこのタイミングのよさは説明できません」
高田は驚いたように言った。
「じゃあ長谷川は近くに居たってことですか?」
「おそらく」
「じゃあこの近くに長谷川がいるかもしれないんじゃ?」
「おそらくそれはないでしょう。長谷川はすでに現場を離れ安全な場所にいるでしょう」
「そうですか」
そのとき俺はホッとしたような気がした。
香野は現場を見渡していた。そして壁に管スプレーで落書きされた矢印を見付けるとそれに近付き臭いをかぎはじめた。
俺は不思議に思い香野に話しかけた。
「どうしたんですか?」
「シンナーの臭いがしますね」
「つまり?どうゆうことですか?」
「つまりまだ塗料が乾いてないってことです。普通このての塗料は乾くのに20分はかかります。乾いていない塗料は臭いをかぐとシンナーのにおいがするんです。
つまり矢印は犯人が書いた可能性が高いってことになります」
「被害者の血が固まってないことからすると犯行時刻と矢印の落書きを書いた時刻はほとんど一緒っとことになりますね」
「そうゆうことです」
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