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ある晴れた日。
空には雲ひとつない。
高田はその青空を見上げていた。肺に吸い込んだタバコの煙りを青空に向けて吐き出す。
高田は空を仰ぐのをやめ手元に視線を戻す。そして携帯灰皿にタバコを押し付けて消した。
立入禁止の黄色いテ―プがマンションのとある部屋の玄関に張られている。その部屋のベランダに高田はいた。
高田の職業は刑事である。そして玄関に張られた立入禁止の黄色いテ―プ。その二つの意味するところは、この部屋で事件が起きたとゆうことだ。
高田はベランダから部屋の中へと戻った。まだ鑑識やらが辺りを調べている。
今日この部屋で起こってしまった悲劇。それは殺人事件だった。被害者はまだ25才の男性である。
被害者は背中から3回も包丁で刺されていた。それが致命傷となり命を落としてしまった。
現場には凶器の包丁が残されていた。包丁からは誰の指紋もでなかった。これはつまり犯人が犯行後に拭き取ったとゆうことになる。
高田はこの事件に言い知れぬ不安を感じていた。だが同時に妹の仇をうつチャンスが再び訪れたことから、喜びに似た感情もあった。
この事件は1ヶ月前に姿を消したある男が再び現れた事を物語っていた。何故それがわかるのかとゆうと、現場に残された犯人が書いたと思われるメモにその男の痕跡があったからだ。
ついに悪魔が行動を開始したのだ。
人間の皮をかぶった悪魔“長谷川 学”が。
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