145人が本棚に入れています
本棚に追加
高田はにぎわう商店街を歩いていた。この商店街を歩いていると色々な誘惑がある。高田はひときわいい匂いを周りに撒き散らしている店で誘惑に負けコロッケを2つ買った。
高田は先ほど買ったコロッケの入った袋をぶら下げなから商店街をさらに歩いていく。
そして商店街も終わりに近付いてくると彼の事務所が見えてくる。
小さなビルの二階にその表札が出ている。
“香野探偵事務所”
俺はビルの階段をのぼり二階に移動した。
そして探偵事務所のドアを軽くノックする。
すると久しぶりに聞く声が室内から聞こえてきた。
「どうぞ~」
「お邪魔します」
久しぶりに見る顔だ。
二十代半ばの青年、とても爽やかな外見だ。背はだいたい175cmくらいだろう。外見はけして悪くはないのだが浮いた噂はまるでない。それが香野 慎治である。
彼と初めて会ったのは警察署でだ。そのときに彼はある事件を俺の前で解決してみせた。それから俺は何度か彼の推理力を目にしていた。“湖畔の館の密室殺人事件”や“監獄島”での事件。どの事件でも彼はその才能を俺に見せた。
彼いわく『私は天才ではないんですよ。ただ人より少し記憶力がよくて、人より少し周りをよく見ているだけなのです』
だそうだ。
それが普通の人にはできないから彼は天才なのではないだろうか?
いくつもの事件を解決してきた香野なら今回の事件も解決できるのではないか?そう考えてしまうのも自然な事なのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!