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「こんちゃ」
「今はこんばんはだぞヒト」
二人の男女が裏之家にやって来た。
一人は目付きが悪い感じの、口に何かをくわえた無関心そうな女。
もう一人は見るからに愉快そうな男
「あ、これは、ヒト先輩どうぞ御上がり下さい」
「マイちゃんオレは?」
「ついでにどうぞ」
「ついでかよっ……」
珍しく丁寧語を使い、マイは家に招き入れた。
一人はついでとして。
マイはその男女を居間へ案内した。
居間ではチサが、何やらパーティーの準備をしていた。
「マイ、誰だそいつ等は?」
男女を見たチサはマイに尋ねた。
「そういえばチサは初めてだったね、こちらのシガレットチョコをくわえてるのが小虎灯斗さんでミキ姉の先輩だ」
「なんで砂糖なんてくわえてるの?」
「おい、チサ失礼だぞ!!」
初対面のヒトに対し無礼極まりない無礼講な態度と口調で接するチサをマイがいつになく真剣に注意した。
マイが注意しているとヒトはいいよと言ってチサの問に答え始めた。
「あたしは未成年だからタバコが吸えない、だからタバコの変わりにカッコつけてるだけだよ」
「そうか、でも糖分の採りすぎには気を付けなよ」
ひとまず二人が話し終わるのを待ってからマイは
「じゃぁ準備を再開しよう」
チサがやっていた続きをやるように促した。
と、突然後ろにいた男が焦ったように声をあげた。
「ちょ、俺の紹介は?」
「自分でして下さい」
その言葉に男はちぇっと舌打ちをしたものの、やれやれといった感じで自己紹介を勝手に始めた。
「俺の名前は峰嶷奏麻だ、ソーマって呼んでくれ、ちなみにヒトの彼氏だ」
とたんバシッっと音がしてソーマが頭を押さえて唸りだす。
「あんたふざけてると怒るよ?」
ヒトが近くにあった雑誌でソーマの頭をどついた。
「ヒトお前、角は無しだろっ!!」
そんな二人のやり取りをまぁまぁとマイがなだめ
「準備をしましょう、ミキ姉達が帰って来ちゃいますから」
そして4人は準備を始めた。
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