2日目「いつもの食欲」

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「たっだいま~」 マイが学校から帰って来たばかりの姿のまま、軽快にドアを開け言った。 そんなマイに対してマイに一言 「うん、お帰り~」 「えっ、それだけ? もっと構ってもいいんじゃない?」 感心なさげで感情のない返事に、マイは少し訝しげにチサの顔を覗き込むように言った。 「お前に構っていたら私の成績がた落ちだよ、それに声がでかい!! 近所はともかく私が迷惑だよ」 マイはちぇ、っと舌打ちをする。 マイがふと机を見るとそこには真っ赤に熟した苺の乗るショートケーキが、ただ一つだけおいてあった。 「なんだいこれは?」 目を輝かせたマイが尋ねる。 「あぁそれ? それはお前が一昨日に食べちゃったミキお姉ちゃんのケーキの代わりでお前のぶんは無いからね」 机の上には既に食べられたと思われるケーキの銀紙が、皿の上にフォークと一緒に置いてあった。 マイが文句を言おうと息を吸い込む。 が、言う前にチサが付け加えた。 「ついでに言うとお前の金だよ」 吸った息を吐くのも忘れる勢いで慌てサイフを確認する。 「いつ盗ったの?」 マイがゆっくりと顔を上げて聞く。 「夜お前が寝ている時に」 チサは表情をにこにことさせながら答えた。 「なななんて事を、それでも弁護士志望かよ!!」 「罪には罰を与えたまでだよ、悪いのはお前だよ」 もっともらしい事を言ったマイに、もっともらしい事で言い返すチサに、うっ、とうろたえるマイ。 そして考えだす。 (どうにかしてこのケーキを食べる方法を考え よう、唯一の救いがあの店のケーキじゃぁないって事だ) 「よ~しシミレートしよう」 私が食べるには ―シミレート1― 自分が金を払った事をアピールする 「ミキ姉これ私の小遣いで買ったんだよ」 「あらそうなの? じゃぁ、ありがたく頂くわ」 ……失敗…… (これじゃぁ食べれない……)
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