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気がつくと
僕のまわりは
一面真っ青だった
『ここは大空の世界---』
どこからか
笑い声とともに
そんな言葉が聞こえた
ここが空------
空には
白いマシュマロみたいなのがあった
『ようこそ雲の世界へ』
優しい声で
僕にささやいた
これが雲-----
今度は
雲を泳がし
僕を撫でるかのように
そっと
風が吹いた
『自由な世界へと---』
歌うような声が
聞こえた
『--------私と行こう』
歌うような声で
僕に話しかけ
僕の背中を
そっと押す
僕を撫でる風は
あの
少女のように
輝いて
無邪気で----
僕の心をくすぐる
だからなのか
僕は
引き寄せられるように
風と一緒に
一歩を踏み出す
空と
雲と
風が
僕を迎えてくれた
それぞれの
世界には
僕がいていいのか
僕はなぜここにいるのか
全てがわからない
答えは
僕と彼女を引き裂いた
風が
僕を見守る
雲が
僕を包み込む
空が
それとも
まだ見ぬ誰かが
知っているのだろうか
新たな旅が始まった----
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