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白い塊…雲が僕を招待してくれた
僕は
心が踊っていた
でも
雲は
風をあまり好んで
いなかった
何故だか気になった
でも
風はそんな事は
気にしないで、
僕をそっと後ろから
押してくれた
そのまま
僕は独りで雲へ
飛び込んだ
雲の世界は
上も下も
右も左も
わからない
一面真っ白だった
僕は
どうすればいいのかわからなくて
ただ
世界をさ迷ってた
----怖かった
すると
雲がゆっくりと形を
変えていった
僕を招待したきり
何も話さなくなった雲は
それでも
僕に合わせて
形を変えてくれてたのが
なんとなくわかった
「雲は…形を変えることしかできないけど。この世界では何もかも忘れられる」
ゆっくりと
形を変えながら雲が言った
その声は風よりも
透き通った声だった
しばらくの間雲は僕の
全てを包みこみ
ずっとそばにいてくれた
-----雲が
風によって
散っていくまでは…
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