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私、19歳。
晶、享年21歳。
学生時代から、毎日飽きもせず3人で遊び歩いた。
晶がいなくなる半年前位からか…3人共に彼氏が出来てからは、電話で報告しあう程度になってしまっていたが…。
私が、自分の男が胃癌だと宣告されて間がない頃だった。電話の晶の様子がおかしいのを、私は気付きながらも…親友とその二人のお母さんに病院に一度連れて行った方がいい。と忠告しただけで、自分から動こうとしなかった。
それ…今でも後悔してる…。
晶のアパートの鍵が開いていた。電気もコンポもついたまま。
夜中…親友と晶を捜して歩いた。
静まり返る住宅街。何時間捜したのか…何時頃だったのかさえ記憶に無い。……深夜。
ドン!…嫌…。ダン!とも…ドサ!とも違う…、異様な鈍い音がした。音の方向には、⑭階建てのマンション。何かを頭で考える前に…足は…音のしたマンションへと駆け出していた…。マンションの部屋の明かりが疎らに点き…明かりで照らされた……晶が……
私には、動いて見えた。
アスパルトの上の水溜まりに倒れてる晶が。だから、普通に駆け寄って、頭と背中に手をまわし抱き上げた。顔は綺麗だったが…いつもの表情じゃあ…生きている晶じゃあ…なかった。
私は、上を見上げた。
………無理………
晶の頭を支えている手の平の感触がやっと自分で解るようになった。晶の頭のまわりの水溜まりが…水でなく…血と脳ショウなのが…。手を上にずらしていくと…砕き割れ…弾力あるものに触れた。
救急隊員に離れるようにと促された。
晶の遺書は無かった。
晶は、私と妹が捜しているのを⑭階から見ていたんだろうか。
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