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初めて試合に出てから1年が経ったが、今だにベンチ入りの日々が続いた。
そして夏の大会が始まった。
チームは順当に勝ち進み、遂に決勝まで上りつめた。
そして試合が始まった。
序盤、両チームのエースが好投をみせ0対0。
中盤3回、これまで好投を続けてきたエースの佐藤が相手打線につかまってしまい、この回2点を失った。
0対2で迎えた最終回、この回先頭の山田がヒットで出塁。続く伊藤もヒットで続いた。ホームランが出ればサヨナラの場面に6番山本が執念のタイムリー。1点を返す。
なおもチャンスで7番矢部。
「タイム」
監督がそう告げると
「井端、行ってこい」
と言われ俺はバッターボックスに入った。
しかし簡単に追い込まれて2ストライク。
ピッチャーが振り被ったその時。ふとあの言葉が頭をよぎった。
「努力すれば必ず結果がついてくる」
俺はバットを振った。
「カキーン」
ボールは右中間を抜けランナー二人がホームイン。
遂に打った。
本当に嬉しかった。
自身初のヒットだった。
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