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「そういや…」
「何だ?」
有寿の問いにチェシャ猫が応える。
「俺はお前の事を知らない、けどお前達は知ってるという…」
「それが?」
「…本当に、俺、なのか?」
「どういうことだ?」
「誰か他の…俺に良く似た別の人なんじゃないのか?」
「…それはない」
「なんで言い切れる?」
「それは…何て言うかな、俺達にとってアリスの存在は特別なものなんだ、アリスを別人と間違えるわけはない、血が、教えてくれる」
「?」
有寿はいぶかしげに眉を寄せる。
「その内、分かるよ」
チェシャ猫はアリスを見ながらゆっくり微笑んだ。
「そう、か…ならいいか、気にしててもしょうがねぇし、な!」
有寿は笑いながらチェシャ猫の方に振り向く。
「アリスは強いな」
「そうか?」
「ああ」
二人はお互いを見て、笑った。
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