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―時は遡り…
「アリス!こっちに来い!」
「え…ちょ…あの!誰ですか!?」
「俺か?俺は時計ウサギ。お前を迎えに来た」
「迎えに、って…」
ウサギ耳のはえた白髪の男が、首から下げた大きな時計を激しく揺らしながら全速力で有寿の手を引っ張りながら走っている。
「お前がいるべき世界へ、連れて帰るんだ」
「え?ちょっと待って!もしかしてさっきの声も君!?ねぇ!ねぇってば!」
時計ウサギは聞こえていないのか無視しているだけなのか、何も応えない。
「ねぇ…ちょっ…と…あれ?何か…眠く…」
そして有寿は深い眠りの底に旅立って行った。
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