M33T

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「俺になんの恨みがあるか知らねえけどよ。ひでぇよ、お前」 ルークは壇上に置いてあった銃を取り、撃った。 バンっ! 一発目はヘンリーには当たらなかった。 ルークも怒りで手元が狂ったのか、ヘンリーに狙いが定まらなかったようだ。 ヘンリーの左横を通過して、弾は扉を貫いた。 ヘンリーは慌ててナタリーを自分の後ろに移動させる。 ルークはヘンリーが首謀者である理由を語らない。 ヘンリーは何も心当たりがないのだから、納得できないままルークと戦わなければならなかった。 だが、ヘンリーを首謀者と疑わないルークに何を言っても無駄だ。 ヘンリーは部屋を出る時に、ナタリーを守ると心に誓った。 だからこそ、ルークと戦う理由など関係ない。 ナタリーが危険にさらされていれば、相手が誰であろうと戦うべきだ。 ヘンリーもルークに銃を向けた。
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