M33T

32/36
前へ
/260ページ
次へ
「誰のせいだと思ってんのよ!あたしがこうなったのも…、復讐にしか人生の意義を見いだせなくなったのも、全てアンタのせいじゃない!」 ナタリーは叫ぶように言い放ち、下げていた銃をまたヘンリーの額に向けた。 「十二年前、アンタが殺した一家のこと覚えてる?覚えてないでしょうね…。アンタは一般人を虫けら同然に殺してきた殺人鬼なんだから」 ナタリーは興奮しているのか、呼吸が荒い。 「調べたところ、あたしの家族がアンタの初めての…【死の腕】での殺しだったようだけど。あたしはその一家の生き残りよ。アンタの顔は忘れなかったわ。片時も!いっそのこと、妹やママやパパと一緒に殺してくれればよかったのに…アンタはあたしを無視して妹だけ連れて行った」 「?!」 ヘンリーは思い出した。
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2040人が本棚に入れています
本棚に追加