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初めはこまめに数えた
口付けの回数も
もう数えられなくなった
雲の中から薄らと
光が差し込んだから
私は迷いもせず
手を伸ばしたんだ
私の冷たい躯に
君の熱い躯が
私は形を失っていく
総てどうでもよくなる
君を何度も
手で確かめているのに
すぐにわからなくなるから
弄(まさぐ)り続けるの
雲が光を隠して
雪がまた積もり積もり
溶けるような想いが
凍えそうな淋しさに変わっても
同じ光を求めて
私は手を伸ばすんだろう
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