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CHU♪
唇に感じた柔らかくて温かい感触。目の前には隼人の綺麗な顔。
「な?すげー大事なもん忘れてただろ?」
…今のって…?
状況を理解するのが先か、顔が赤くなるのが先か。
だけどやっぱり赤くなった頬を隠す事だけは出来なかった。
「…びっくり、した」
「由香里の顔傑作だったんだけど」
「うっそ!?」
「はは!冗談だから」
「もぉ。隼人ってヤツは!」
私のファーストキスはロマンチックでもなんでもなくて、昨日のあの雰囲気はなんだったのかって不思議に思うくらいだった。
だけど、改まったかっこつけたそれよりも、こっちの方がなんだか隼人と私らしい気がしてちょっとだけ笑えてしまう。
「…なぁ」
「なに?」
「今の、あいつらには…内緒だかんな?」
「ぇ?……あ、うんっ♪」
余裕そうに振り返って、ウィンクなんかしながらそう言った隼人。
その顔が心なしか赤くなっていた事は私だけの秘密にしておいてあげよっ。
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