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タタタタタッと、なんだかものすごい足音が近づいてくる。
夢心地にうとうとしていた私は、瞼をゆっくりと開けた。
「由香里!!早く起きなさい!!もう7:30よ?」
ガチャッというドアの開く音と共に、大慌てなお母さが登場。
…ん?今なんと?
「7:30!?」
私は慌ててベットから飛び降りる。
ヤバイって!!
8時の電車に乗れなきゃ間に合わないのに。
私は、自分が出せる最大限のスピードで準備をした。
「行ってきます!」
「ちょっと、ご飯は!?」
「あー、なんか向こうで食べる!!」
時間はないけど、それなりにメイクして、髪も直して家を出た。
7:48か…
走れば間に合う!!!
すれ違う人が冷ややかな目で見ようとも、私は気にせず走った。
なんとしてでも、遅刻の罰掃除は免れたい!!
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴ったと同時に教室に滑り込む。
「セーフ!?」
ドアの近くにいたクラスメートに尋ねると、キラキラした笑顔を向けてくれた。
「あ、おはよ。星野さん。まだ大丈夫だよ」
「よかった~」
私は息を整えながら、席に向かう。
これで掃除は免れたわけだ。
教室に挨拶をしながら入って来た先生に、上機嫌でいつも以上に大きな声で挨拶をした。
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