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『はぁ』
「……ごめん。私のせいで遅刻させちゃって」
もう、怒鳴るなりなんなりしてください。
結城のため息を聞いて、私は腹をくくる。
『…何事もなく学校着いてたんならいいわ』
予想外の結城の言葉に、一瞬思考がフリーズした。
「……………え゛」
おまけにマヌケな声が出る始末。
「…怒って、ないんですか…?」
『別にいい』
「はあ…」
もしかして…
心配、してくれてたとか…?
そんな態度とられると、なんだか調子が狂ってしまう。恐ろしいほどの自己チューはどこへ行ったのか…。
『あ』
「…何?」
何かを思い出したような声。
『俺、お前のせいで罰掃除じゃん』
「あ゛」
そんな物騒なものがあったんだ!
私は再び恐怖にかられた。
『マジないんですけどぉ』
「…はい。申し訳ありません(泣)
私も………お手伝いします」
それ以外に助かる道はないだろう。
あんなに必死でダッシュしたのも水の泡だけど、今の結城に逆らうなんてもっての他だ。仕方なく了承する。
『あっそ。じゃ手伝ってねー』
「わかりました…」
終話ボタンを押した携帯を見つめる。
私ってばなんで忘れたのよっ!!!!
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