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夢なら早く覚めてほしい…。
けたたましくなる目覚ましでも、お母さんの怒鳴り声でもいいから…
私をこの悪夢から救ってくれ~~~!!!
「お前………頭イカれてんじゃない?何わけわかんないこと言っちゃってんの?」
え…
私声に出してた!?
ま、出してしまったもんは仕方ないと諦めよう。
嫌悪そうな顔で私を見つめるこの男こそ、事の発端。
こいつの名前は、結城隼人。
学校一のモテ男でチャラ男。
そんな彼がごく普通の女である私に興味をお持ちになられやがった理由は全くわからない。
ていうか…
謎過ぎる。
「はぁ…」
「何ため息なんてついてんだよ、星野由香里」
お前のせいだよ。
……それよりなんでフルネーム??
「俺に声かけられてため息つくなんて、やっぱイカれてんじゃね?」
なにがそんなに可笑しいのか、結城はケラケラ笑い出した。
どっからくるんだその無駄な自信は…。
私が言うのもなんだけど、結城はオツムが悪いらしい。
黙っていればそこそこ(いや、かなり)いい男なのに、しゃべると馬鹿丸出しだ。
今私達は屋上にいるわけだけど、なんでこうなったかを説明しない事には何も始まらないでしょう…。
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