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=昼休み=
「ゆーかーりーちゃん♪」
げ。来た…。
早速お弁当片手に私に近づいてくる雑食女。
「お昼食べよ~ね♪」
「…はい」
無駄に輝く微笑みが怖い。
「今朝は遅刻寸前で入ってくるし、廊下で馬鹿デカイ声でお電話してるし……。
何があったの?」
話してみなさいとでも言うように、舞は程よく引き締まった綺麗な脚を組み替えた。
「別に、なんにもないよ」
弁当箱を広げながら、いつも通りに振る舞う。
何を言われても動揺しない事が必要なわけで…。
「ふぅーん。じゃあ、手伝うってのはなんの話かしら?」
つまんでた唐揚げを危うく落としそうになった。
「へ、なんの事だっけ?」
既にいっぱいいっぱいの私…。舞が鋭い眼差しで見つめてくる。
…完っ璧に怪しまれてる。
「あ、そうだそうだ!
友達と朝行く約束してたんだけど、理由があってあっちだけ遅刻しちゃってさー。
なんか気分悪いから、私も手伝う事にしたのよ」
我ながら非常に苦しい言い訳…。
「ふーん。…ま、言いたくないなら…」
た、助かった…?
納得してくれた様子に、私はホッと息をつく…が。
「こっちが調査するまでよ!」
「………」
この人は、私の予想を遥かに越える探求心を持っていたみたいです…。
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