Heart.2

10/17
前へ
/380ページ
次へ
=昼休み=   「ゆーかーりーちゃん♪」 げ。来た…。 早速お弁当片手に私に近づいてくる雑食女。 「お昼食べよ~ね♪」 「…はい」 無駄に輝く微笑みが怖い。   「今朝は遅刻寸前で入ってくるし、廊下で馬鹿デカイ声でお電話してるし……。 何があったの?」 話してみなさいとでも言うように、舞は程よく引き締まった綺麗な脚を組み替えた。 「別に、なんにもないよ」 弁当箱を広げながら、いつも通りに振る舞う。 何を言われても動揺しない事が必要なわけで…。 「ふぅーん。じゃあ、手伝うってのはなんの話かしら?」   つまんでた唐揚げを危うく落としそうになった。   「へ、なんの事だっけ?」 既にいっぱいいっぱいの私…。舞が鋭い眼差しで見つめてくる。 …完っ璧に怪しまれてる。 「あ、そうだそうだ! 友達と朝行く約束してたんだけど、理由があってあっちだけ遅刻しちゃってさー。 なんか気分悪いから、私も手伝う事にしたのよ」   我ながら非常に苦しい言い訳…。     「ふーん。…ま、言いたくないなら…」 た、助かった…? 納得してくれた様子に、私はホッと息をつく…が。 「こっちが調査するまでよ!」   「………」 この人は、私の予想を遥かに越える探求心を持っていたみたいです…。
/380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27575人が本棚に入れています
本棚に追加