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そう言い切った舞は、食事中、私の携帯が振動する度にわくわくそわそわ。
もしかしたら、舞は感づいているのかもしれない。
そう思うと、なんだか食べた気がしなかった…。
最後の一口を口に運ぼうとすると、勢いよく教室のドアが開く。私と舞だけでなく、クラスメートの視線がドアに集中する。
前にもあったこの展開に、嫌な予感が過ぎった。
そしてその予感は、たちまち現実になる。
「由ー香ー里ー」
「………」
今はこの場に現れたKY男よりも、私と奴の顔を目を丸くしながら交互に見つめてくる舞の方が恐ろしい気もする…。
結城隼人の登場で、再び騒がしくなる教室。奴はそんな騒ぎに慣れっこのようで、周りには見向きもせず真っ直ぐ歩いて来た。
「朝から約束をすっぽかして頂いてどーもぉ」
「……」
結城は、雑食女の目の前で触れてほしくない部分に直球で触れて来た。
その言葉を聞いて驚いた表情をしたのは舞だけでなく、クラスメートのほとんどの視線が、私達に注がれる。
……終わった。
そう悟った私のテンションはみるみる下がっていく。
だがそんな私に構う事なく、当の本人のKYさは加速していった。
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