Heart.2

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「こいつに選択肢はねぇの」 黙っていた私の代わりに結城が答える。普通だったらこんな会話有り得ないけれど、なぜか周囲は納得しているようだ。   認めたくなんかないけど、結城には、それだけの威圧感・存在感・完璧な容姿が備わっているから…。 「………」 「な、何?」 舞にじっと見つめられる。今度は何を言われるのか…。   「うらやまし~」 「………はい!?」 舞のぼやきに大きく頷き、何人かの女子が賛同する。 「ちょ、なんでうらやましいのよ!!?」 「だってー、学校一のイケメンに告られたのよ? 嬉しくない奴なんているわけ?」 「………」 思わず挙げそうになった右手で、スカートを握る。 ここで手なんか挙げた日には、間違いなく血祭りだ。 「由香里のお友達ちゃん!よくわかってんね? 普通断ろうとしねーよな??」 出た!! 俺様だっ!!! 「まぁ、この子超が付く変わり者だから。 ていうか……恋愛偏差値0」 今さりげなく失礼な事言ったし…。 ……でも言い返せない…。 たしかに私は、そういうピンク色の世界とは無縁だったから…。
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