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朝、いつものように親友の上里舞とくだらない話をしていると、クラスのドアが勢いよく開いた。
「きゃーーっ」
それと同時に、女の子達のわれんばかりの歓声。
そういうことに興味の無い私と舞は、気にすることもなく話を続けていた。
「それでさ、渋谷で5000円で買ったスカートが、駅前の店で3200円で売ってたの!!マジないよね…」
「それはそれは…。
わざわざ電車賃までかかってんのにね」
うなだれている舞を、よしよしと慰めていると、トコトコと1人の女子が歩いて来た。
「ねぇ」
「なに?」
「あ、上里さんじゃなくて…」
「あ、私?何?」
「…あの人、結城君が呼んでるよ?」
私はドアの方に目を向ける。
どちらさん??
知らないんだけど…。
私が立ち上がるのを躊躇っていると、痺れを切らしたらしい彼が、ズカズカと教室に入って来た。
またまた女子の黄色い悲鳴…。
「おい」
「…何か?」
「呼んでんだから早く来いっつーの」
「はぁ。何か用でも?」
私がそういうと、結城は一度天を仰ぎ、目を細めて私を見た。
こんな私にまでわかるくらいの艶やかな表情……。
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