Heart.1

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朝、いつものように親友の上里舞とくだらない話をしていると、クラスのドアが勢いよく開いた。 「きゃーーっ」 それと同時に、女の子達のわれんばかりの歓声。 そういうことに興味の無い私と舞は、気にすることもなく話を続けていた。 「それでさ、渋谷で5000円で買ったスカートが、駅前の店で3200円で売ってたの!!マジないよね…」 「それはそれは…。 わざわざ電車賃までかかってんのにね」 うなだれている舞を、よしよしと慰めていると、トコトコと1人の女子が歩いて来た。 「ねぇ」 「なに?」 「あ、上里さんじゃなくて…」 「あ、私?何?」   「…あの人、結城君が呼んでるよ?」 私はドアの方に目を向ける。 どちらさん?? 知らないんだけど…。 私が立ち上がるのを躊躇っていると、痺れを切らしたらしい彼が、ズカズカと教室に入って来た。 またまた女子の黄色い悲鳴…。 「おい」 「…何か?」 「呼んでんだから早く来いっつーの」 「はぁ。何か用でも?」 私がそういうと、結城は一度天を仰ぎ、目を細めて私を見た。 こんな私にまでわかるくらいの艶やかな表情……。
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