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舞の提案に乗せられる形でやって来た今回の旅行は、【青い花】という思わぬロマンチックなおまけがついてきた。
もしかしたらあの【青い花】の話は、ただの噂話かもしれない。迷信かもしれない。
だけど私達はそれを信じて、そして強く願ったんだ。ずっと一緒にいられる事を。
だって、これからの私達は私達が作っていくんだもん。
お互いの手をずっと離さないでいれば、噂も迷信も真実に出来るかもしれないから。
舞の隣には裕也くんがいて、私の隣には隼人がいて。そんな未来を掴むのだって、夢じゃないかもしれないから。
「由香里ー」
「何?」
「忘れ物ない?」
「無いよー。隼人もない?」
「ううん。俺はある!」
「え!?何!?」
朝からそんな声が響く。
これは部屋の中に忘れ物がないか、ベットの下やらお風呂場やらをぐるぐる確認しながら交わしていた会話。
自信満々に発せられた隼人のとんでもない発言に、私は思わず隼人の方を振り返った。
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