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こいつに聞きたい事は山ほどある。
まずは、なんで私の事を知っているのか…?
「あのさ…」
「あ?」
そう言いながらポケットに手を入れ、おもむろにくたびれた箱を取り出す。
おいおいおい!!
ここで煙草はまずくないかい?
「何?そんな見つめて…。
あ、煙草?欲しいの?」
違うよ!
たしかに優等生ではないけれど、法律違反は致しません。
「いらない」
「………あっそ」
結城は興味なさげな声でそう呟くと、箱を再びしまった。
「あの」
「ふぅ~。何?」
「なんで私の事知っていたのですか?」
何故か敬語になる…。
なんていうか、こいつには独特の威圧感があって……。
心の中では悪態ついてても、それを口に出す事は出来なかった。
「始業式!」
「始業式??」
「そ。遅刻して入って来た奴がいるなぁって思ったら、センコーが使ってるマイクのコードに足引っ掛けて、大ゴケしてた。
あんたの騒ぎのおかげで、俺の遅刻はバレずにすんだけどぉ」
嫌味を含んだ物言いをする結城。
あれを見られていたとは…。
っていうか思い出したくもない一生の汚点!!!
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