Heart.1

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こいつに聞きたい事は山ほどある。 まずは、なんで私の事を知っているのか…? 「あのさ…」 「あ?」 そう言いながらポケットに手を入れ、おもむろにくたびれた箱を取り出す。 おいおいおい!! ここで煙草はまずくないかい? 「何?そんな見つめて…。 あ、煙草?欲しいの?」 違うよ! たしかに優等生ではないけれど、法律違反は致しません。 「いらない」 「………あっそ」 結城は興味なさげな声でそう呟くと、箱を再びしまった。 「あの」 「ふぅ~。何?」 「なんで私の事知っていたのですか?」 何故か敬語になる…。 なんていうか、こいつには独特の威圧感があって……。 心の中では悪態ついてても、それを口に出す事は出来なかった。 「始業式!」 「始業式??」 「そ。遅刻して入って来た奴がいるなぁって思ったら、センコーが使ってるマイクのコードに足引っ掛けて、大ゴケしてた。 あんたの騒ぎのおかげで、俺の遅刻はバレずにすんだけどぉ」 嫌味を含んだ物言いをする結城。 あれを見られていたとは…。 っていうか思い出したくもない一生の汚点!!!
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