Heart.1

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「あの!」 「何?」 「私、あんたの事全然知らないし。 だから付き合うなんて無理」 いつのまにか敬語でもなくなってる。 こんなに私を馬鹿にする奴に、敬意なんて払ってられなくなった。 「うん。俺もお前の名前と顔しか知らない」 「は?」 「あ!間違えた!!」 「……」 私の声を無視して、勝手にぺらぺら話ている結城。 「も1個あったわ。知ってる事…」 「な、なによ?」 なんとなく聞いてみる。 結城はニヤっと笑った。 「始業式のパンツはピンクの水玉」 「はぁぁぁ!?」 私の反応にまた爆笑する結城。 だけど急に真剣な顔になって、吸っていた煙草を足で踏み消した。 「知らないなら、これから知ってけばいいんじゃね? つーか、お前に選択肢はない」 「は!?」 「俺がなんて言ったか覚えてねーの?」 首を回しながらけだるそうに尋ねてくる。 …なんて言ったか……? 『俺の女になれ』………   っまさか!!! 私は勢いよく顔を上げて結城を見た。
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