27574人が本棚に入れています
本棚に追加
私の顔を見て、結城は満足そうに笑う。
……嫌な予感…
「やっとわかった?
だって命令だし。お前の返事なんて求めてませーん」
……なんつー自己チューで傲慢な奴なんだ!!!
「ちょっと、ほんとに困る!!!」
さっきの教室での光景を思い出し、猛抗議をする。
あんな人数の女を敵に回すのはごめんだ。
「俺も困る!!!」
私の真面目な抗議も、結城にバッチリ交わされてしまった…。
「それに、あんたモテるみたいだし、私みたいの選ばなくたって……」
そこまで言うと、結城の手で口を塞がれる。
「……誰と付き合おうが俺の勝手じゃん?
周りの奴らに指示される覚えはねーよ」
「!!」
そう言った結城の瞳は、さっきまでとは別人なくらいひどく冷たかった。
「はい!わかったら携帯貸せー」
私の口を塞いでいた手を、そのまま私に向ける。
私が戸惑っていると、さも当たり前のように
「命令だから」
て言った。
なんか、抗議するのも疲れてきたし…。
渋々携帯を奴に渡す。
「登録完了~。はい返還」
「ど、ども」
ヤバイ!
すっかり結城のペースにハマッてない…?
最初のコメントを投稿しよう!