Heart.1

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私の顔を見て、結城は満足そうに笑う。 ……嫌な予感… 「やっとわかった? だって命令だし。お前の返事なんて求めてませーん」 ……なんつー自己チューで傲慢な奴なんだ!!! 「ちょっと、ほんとに困る!!!」 さっきの教室での光景を思い出し、猛抗議をする。 あんな人数の女を敵に回すのはごめんだ。 「俺も困る!!!」 私の真面目な抗議も、結城にバッチリ交わされてしまった…。 「それに、あんたモテるみたいだし、私みたいの選ばなくたって……」 そこまで言うと、結城の手で口を塞がれる。 「……誰と付き合おうが俺の勝手じゃん? 周りの奴らに指示される覚えはねーよ」 「!!」 そう言った結城の瞳は、さっきまでとは別人なくらいひどく冷たかった。 「はい!わかったら携帯貸せー」 私の口を塞いでいた手を、そのまま私に向ける。 私が戸惑っていると、さも当たり前のように 「命令だから」 て言った。 なんか、抗議するのも疲れてきたし…。 渋々携帯を奴に渡す。 「登録完了~。はい返還」 「ど、ども」 ヤバイ! すっかり結城のペースにハマッてない…?
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