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「俺が連絡したら必ず出る事~。
あと、約束は守ること~。」
長い指を折り曲げながら、何やら規則みたいな事を説明してくる。
話が先に進んでる!
私は思わず止めに入った。
「ちょっ、結城!」
「あ!!あとー、名前で呼ぶ事~」
「は?何言ってんの」
「だって名前のが恋人っぽいじゃん?」
自信たっぷりにそう言い放つ。
その前に恋人になるなんて了承してないんですけど…。
私は結城を軽く睨む。
「うっわ由香里ちゃんこわぁい」
「………」
なんかもう…
怒る気も失せた。
「あ、授業サボっちゃったね!」
遠くで聞こえるチャイムの音…。
誰のせいだよ…?
「はぁ。次は体育だから出たいんだけど、帰っていい??」
「いいよ。あ!ちなみに俺E組だから、会いたくなったらいつでもどーぞ」
そう言ってウィンクしてきた。
「あーはいはい。じゃーね」
一応返事なんてしたけど、行く気なんてサラサラないし、ありえない。
教室に向かいながら、私はそんな事を考えていた。
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