涙-rui-

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涙-rui-

そこになにもなくても 幸せと思えば幸せで 無意味に彩られた世界に 身をゆだねて漂っていたい 涙ににじんだ空は 星もみえなくて 空しいもんだろう 「だから笑って」と 君が笑うから 不思議と顔がほころぶ 笑う顔に不似合いな雫を すくって空にはじきとばす 上ばかり見たって 何も変わらないから 太陽があるうちは 前だけを見て歩こう ただ月が昇りはじめたときは 立ち止まって じっと見つめよう 星ひとつ見えない 重苦しい空の片隅に ポツリときみを 見つけたとき 急にさびしくなった 「だから笑って」 君の声が聞こえた 涙がとまらなくなってた 「『さよなら』じゃなくて 『おやすみ』」 置いていかれた紙切れが 優しく手をふる 「だから笑って」と きみが笑うから 不思議と顔がほころぶ 笑う顔に不似合いな雫を すくって空にはじきとばす はじきとばした涙は 空へと還り 星屑のひとつに なれるだろう 月と隣り合う姿みて きみと僕の姿重ねる
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