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「ハァッハァッハァッハァッ」
俺は迫る足音から逃げるように雑木林を全力で駆け抜ける
「グオォォォ」
「チィ、一体なんなんだアレは」
後ろからは低い唸り声が一定の距離を保ちながらも追ってくる
「絶対あっちの方が早いのになぜ襲ってこねぇ?」
さっきから明らかに不自然に奴は追い付いてこない
「ハァッハァッ!広いとこに出たな、公園?いや空き地か」
「グオォォォォォォォォォォォォォ!!」
さっきとは打って変わって鋭い叫びを上げて月明かりの下に現れるソレまるで鬼、化け物と言う言葉かぴったりのものだった
「マジかよ3メートルはあるじゃねえか」
「魔力ダ巨大ナ魔力ダァァァ」
そう叫びながら化け物は突進してきた
「何っ!?」
俺は咄嗟に醤油のボトルを投げ捨て脇に飛ぶ
バキバキ
太い並木が根こそぎ圧し折られる
「あんなんくらったら一溜まりもねえ」
「グオォォォォォォ」
化け物は濁った眼で俺を睨み付けゆっくりこちらを振り向く
「またか、なんか武器はねえか?」
俺は化け物を見据えながら武器を探す
「といっても仕込み刀しかねえか」
俺は刀を鞘から抜きはらい構えた
「腹括るしかないか」
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