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「あんたにそんなこと言われるなんてね」
夏川は失笑した
「どうりであんたの考えが分からないわけだわ。裏表だけじゃないんだもの」
「オレ自身、自分を把握できてないからね。ややこしい考え持つようになっちゃったよほんと」
時間は刻々と過ぎていく
「時間も半分過ぎたね」
「その割には余裕じゃない?」
「さぁね、勝負は時の運じゃないの?」
「いや、あんたは【勝つべくして勝つ】タイプの人間。どうせ、もう勝った気でいるんでしょ?…本当憎たらしいやつ」
そう言いながらも夏川は笑っていた
「そこまで分かってるなら、いいや。この勝負もう終わりにしようか」
「どういうこと?」
夏川の顔に焦りが見えた
「この催眠ゲームを受けた時点で勝敗は決まっていた」
大山は夏川の目を見ながら、話を続けた
「あらかじめ、確実に負けない方法を取らせてもらった。正直、面白味がなくなるからこの手段は使いたくなかったけど…」
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