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桂吉朝…本名上田浩久は、昭和29年11月18日、5人兄弟の末っ子として大阪は堺の印刷屋に生まれた。
しかし、この浩久少年、ひょっとしたらこの世に存在しなかったかもしれなかった。
当時上田家の子供は4人。「これ以上子供が増えると生活が苦しくなる」という理由で、お腹の中の子供を下ろそうかという話が出たらしい。しかし、なんやかんや家族会議をかさねるうちに、結局「産もか」となった。
この事実は吉朝の葬儀の時に、一番上の姉が教えてくれた。
弟子一同は真剣なまなざしで話を聞くが、次の姉の一言で弟子一同はコケた。
「あの子(吉朝)ホンマはいらん子やねん」
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